6/8(thu) 東京で美奈子さんのリサイタル

こちらがフライヤー。素晴らしい仕上がりです

 地元で仲良くしてもらっているピアニスト、鈴木美奈子さんのリサイタルを聴きに代々木上原ムジカーザへ行きました。
 このリサイタルは『SYMPOSION』と題し、曲にまつわるエピソードなどをお話しながら演奏していくシリーズもので、今日がその第1回目ということです。
 プログラムはなんとオールベートーヴェンプロ。これだけだと強張ってしまいますが、「ベートーヴェンと恋人たち」というサブタイトルがついているようにベートーヴェンと関わった女性のロマンチックな話を織り交ぜながらうまくコンサートの雰囲気を作りながらの演奏。
 プログラムは《エリーゼのために》からソナタ14番《月光》、24番《テレーゼ》、31番そして32番2楽章です。
 演奏だけでも十分雄弁で素晴らしい(やはり濃い!)リサイタルでしたが、やはり説明つきで曲を聴くと、また違った面持ちで感じることが出来ますね。作風も曲によって随分違った感じで、後期の2曲など練り上げて作曲したのだろうけど、結果きわめて自由なスタイル(スウィング?)と伝統的なそれ(フーガ?)とを融合したユニークな作風へと飛翔した感じがよく伝わってきました。
 それにしても、プログラムは手作り、別紙資料も自らの手で調達、解説も1人で語り、さらに立派な演奏もして。本当にタフネスな美奈子さん。細いお体でもエネルギーを感じずにはいられません。まさに「一人題名のない音楽界状態」です。
 
 さてもうひとつの関心事はホールのこと。代々木上原のムジカーザは初めて来て興味しんしん。一度TVで綾戸千絵のインタビューで見たことありました。
 立体的な構造で、客席の一体感が得られる近代的な雰囲気です。
 音のほうは、場所によって印象が違うのかなと予想されます。ぼくは2階最前列で聴きましたが、ハンマーの直接音が強く耳に響きます。多分サイドで聞いたほうが柔らかく聞こえるのだろうな。壁がコンクリート打ちっぱなしというのも影響してるのかもしれませんね。
 というわけで僕の席ではかなり硬めの音でしたが、この位置だと美奈子さんの全身でピアノに打ち込む姿がよく見えるので僕は好きです。多分次に来るときもこの席を選ぶでしょうね。

 次回は来年2月に「シベリウスもの」を特集するそうで、その準備で来月にはフィンランドへ行かれるとか。次元が違います・・・・・・・。


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